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この救急箱では、スポーツでありがちな外傷についての基本的な応急手当てについて簡単に解説します。
スポーツ外傷には、軽い捻挫や突き指から、頭部外傷、脊椎損傷など様々なものがあります。
ドッジといえども、重大事故が発生しないとは限りません。
これらの外傷が発生した場合、現場での早い応急手当が適切に行われたか否かによって、生命を左右する場合もあります。我々指導者は、そのような現場に居合わせた際、戸惑うことなく、早く確実に対処できるよう訓練しておきたいものです。
現場で手当を行うに当たり、その外傷がどの程度のものであるか、どうのような症状なのかを的確に判断することが重要です。
特に生命に関わるような外傷などを判断し、適切な応急処置を行うとともに、救急車を迅速に要請しなければなりません。
次の場合は迷わず、速やかに救急車を要請する必要があります。
また、よくわからない場合は、ワーストケースを想定して行動しましょう。
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頭部を強打し、呼びかけても答えず、つねったりしてもまったく反応しない場合、ケガ人をよく観察し、呼吸停止・心停止の場合は、救急隊が到着するまでの間気道確保・人工呼吸・心臓マッサージ等の心肺蘇生法を行わなければなりません。 |
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頭から転落したり、ペアで衝突したときなど、首に強い衝撃を受けたときに起こる外傷です。意識はあっても、自分では手足を動かせない場合は、脊椎損傷の疑いがあります。
この場合、むやみに動かすと更に症状が悪化してしまうこともありますので、救急車要請の際、患者の倒れている状況を説明し、必ず救急隊の指示に従いましょう。 |
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大量の出血がある場合は、ショック状態となって意識がなくなることもあります。また、全血液量の1/2以上出血すると、場合により生命に危険が及ぶので、直ちに止血しなければなりません。傷口があり、そこから大量に出血している場合は、その部位を圧迫(直接圧迫もしくは間接圧迫)して止血します。
※ただし血液による感染の可能性がありますので注意が必要です。
腹部の強打による臓器損傷や、大腿骨、骨盤の骨折では、体内で大量の出血が起こっている恐れもあります。痛みの程度・腫れ具合、意識状態から判断し、迅速な手当が必要となります。 |
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手や足では左右で明らかに形が違っている場合は、骨折、脱臼の可能性があります。骨折の場合は福木などで固定し、脱臼の場合は三角布などで関節を固定します。決して自分で外れた関節を入れてはいけません。
骨折すると激しい痛みと腫れにより一時的にショック状態になる場合もありますので注意が必要です。また、出血が認められる場合は患部を清潔な布で圧迫止血します。 |
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